けんぽの部屋
2023年01月20日
「『オンライン資格確認』って、いったいなに?」基幹業務グループ サブリーダー 逵ジュン

オンライン資格確認って?

ここ一年ほど、新聞や雑誌で、「オンライン資格確認」という難しい言葉が聞かれるようになりましたが、みなさん、これが一体どんなシステムなのか、そもそもどんなメリットがあるのか、ご存じでしょうか?

病気やケガをしたときに医療機関や薬局に行きますが、医療機関や薬局は、患者さんがどの健康保険に加入しているかを確認する必要があります。

この確認作業のことを「資格確認」と呼びます。

実は、これまで病院・薬局では 患者さんの健康保険証は確認しますが、最新の「資格確認」はできていませんでした。
例えば、退職したのに患者さんが保険証を健保へ返却せず、本来は無効である保険証を医療機関や薬局で提示したとき、「資格有り」と判断されてしまっていました。

これが、2021年10月の『オンライン資格確認』導入により、オンラインによる「最新の資格確認」ができるようになった、すなわちいまどこの健康保険に加入しているのかが瞬時にわかるようになったわけで、『無資格の保険証』を持参したときに「資格なし」と正しく判断されるようになった!というわけです。

まとめると、「オンライン資格確認」とは、「加入する健康保険組合の最新の資格情報(資格の有無・本人の医療費負担割合など)を医療機関がオンライン上で認識できる仕組み」ということになりますね。

どんなメリットがあるの?
加入者の皆さまにとってのメリットをいくつかご紹介します。
※オンライン資格確認を医療機関が行うためには、そのためのシステムを導入している必要がありますので、そのシステムを医療機関等が導入していることが前提となります。

【メリット1】「限度額適用認定証」が不要に!
医療費が高額になる時、健保が発行する「限度額適用認定証」という証明書を、医療機関等の窓口に提示すると、医療費が自己負担限度額までとなる仕組みがありますが、患者さんが同意すれば、わざわざ健保に交付を申請したり、医療機関で窓口提示したりが不要となります。

※限度額認定証について詳しくはコチラ

【メリット2】 医療機関での待ち時間が減る!?
「オンライン資格確認」は、従来の「資格確認」より医療機関側の事務が軽減されるため、結果的に患者さんを待たせする時間も軽減される…と言われております。
これについては皆さまの実感はいかがでしょうか?

早速、我が家も恩恵を受ける!!
最近、病院へ通う機会があり、「おぉ、これがオンライン資格確認の恩恵!」と思うことが二つありました。

≪恩恵1≫
少し高額な医療を受けたのですが、医療機関から「高額医療の限度額は、オンラインで確認しても良いでしょうか?」と訊かれました!!
これは、うわさに聞いていた上記メリット1の通りです。きちんと口頭で同意を取ってくれました。
もちろん同意をして、限度証の提示なしで限度額までの支払いとなりました。

≪恩恵2≫
同じ医療機関へ数か月通院していますが、保険証は初診で見せただけで、その後、保険証の提示を要求されません。そこで、医療機関へ「どうして保険証を見せなくて良くなったのですか?」と質問してみました。
『オンライン資格確認により「事前にオンラインで資格が有ることを確認済」のため個別の保険証確認が省略できている』という説明をしてくれました。
一方で、別の病院に医療事務として勤務している友人にも聞いてみたところ、『オンライン資格確認はまだ参考程度で、現段階では保険証を必ず確認している』とのことでした。
私がお世話になっている病院では、保険証の提示をここ数か月要求されませんので、メリット2にある「待ち時間の軽減」も少し納得しましたが、病院によっては「オンライン資格確認」のみではなく「保険証の確認」もしているのが現状のようなので、すべての病院で「待ち時間軽減」とはならないでしょうし、保険証は必ず持参したほうが良さそうですが、だんだんと効率化の方向に行くことは確実だと思います。

以上、「オンライン資格確認」のご説明と体験談!でした。

お時間のある方は、是非この後の「マイナンバーカードの保険証利用」についてもお読みいただけますと幸いです!!

「マイナンバーカードの保険証利用」はご存じですか?
いまの保険証は2024/秋に廃止となり、保険証に代わってマイナンバーカードがその役割を担う予定であることが、国の方針として示されました。
マイナンバーカードをお持ちでない方はまずはマイナンバーカードを保有していただきたいと思いますし、お持ちになったあとは「保険証利用の申込」を早めにお勧めしたいと思います(あとで述べます)。
なぜなら、保険証がなくなる予定だから…という理由以外にも、「マイナンバーカードの保険証利用」にはメリットがあるからです。

「マイナンバーカードの保険証利用」にはどんなメリットが?
受診者が同意をした場合には、薬剤情報・特定健診(メタボ健診のことです)情報を、医師等と共有できます。これにより、多くの情報をもとにした診療等が可能となります。
万一お薬手帳を忘れてしまったとしても、薬剤情報を共有できるのは便利なことだろうと思います。

「マイナンバーカード」があれば「保険証利用」が可能なの?
いいえ。マイナンバーカードを保険証として利用したり、薬剤情報や特定健診情報を医師等と共有したりするためには、事前にマイナポータル等から申込(健康保険証利用の申込み)が必要です。
なお、受診する医療機関等によってはマイナンバーカードが利用できない場合もありますので、当面は保険証もご持参ください。

「健康保険証利用の申込み」って簡単にできる?
はい。私も申し込みをしましたが、下記マイナポータルの「利用を申し込む」から簡単にできました。
➡ 詳細はコチラ(マイナポータル)
不明点はフリーダイヤルで確認ができます。
➡ 0120-95-0178(マイナンバー総合フリーダイヤル )

是非是非、トライしてみてください!