けんぽの部屋
2022年05月31日
「世界禁煙デーがやってきた!マイ禁煙デーはいつ?」健保常務理事 篠原正泰

光陰矢のごとし。
昨年の今ごろ、「健保の部屋」で「世界禁煙デー」のことを初めて書いてから、早くも一年が経ちました。(※1)

5/31は、知る人ぞ知るWHOの「世界禁煙デー」。(※2)

厚労省でもこの1週間を「禁煙週間」としています。
2022年度のスローガンは『たばこの健康影響を知ろう!~若者への健康影響について~』です。
今さら健康影響?という感もありますが、これをスローガンとせざるを得ないほどホントウのたばこの怖さが浸透していないことの表れなのでしょう。

今年の4月からは成年年齢が18歳に引き下げられることとなりましたが、喫煙に関する年齢制限は引き下げられたのでしょうか?

答えはNoです(※3)

お酒や馬券などと一緒で従来どおり変わることはありません。

若者の政治参加は個人的には大歓迎ですが、喫煙世界へのいざないは厳に戒めなければなりません。若者は「好奇心など」という軽い気持ちで喫煙を開始してしまいますが、早期の喫煙開始はがん・虚血性疾患など重い病気に罹患する危険性が高まり、他薬物依存への波及など影響も指摘されていて、その代償は想像以上に大きいと言わざるを得ません。

言うまでもなく喫煙習慣は「ニコチン依存症」という依存性の強い立派な病気です。
「喫煙者の意思の弱さ」と言われたのは昔がたりとなりました。

そんなことから6/4より「禁煙治療」に健康保険が適用されるようになりました。
基準を満たした患者に12週間に5回の「禁煙治療」が受けられる健康保険法上の制度です。一般的に「禁煙治療」は貼り薬(禁煙パッチ)や飲み薬を使うよりは確実に禁煙できる方法と言われています。
2020年度からは加熱式たばこ使用者も「禁煙治療」の対象者として認められるようになりました。

またオンライン診療や「禁煙治療用アプリおよびCOチエックカー」も保険診療対象となっています。そういう意味で禁煙に向け広く便利に使える制度として拡充されてきていると言ってよいでしょう。

富士フイルムホールディングス全体の喫煙率は、2019年度末は22.6%、2020年度末は20.8%(対前年▲1.8%)となり、2021年度末の最新の喫煙率は19%台と20%を切るようになりました。禁煙をした皆さん、支援した皆さんのお蔭で確実に下がってきています。

しかしながら国の目標はまだはるかに遠い12%です。
またホントウを言えば12%のままで良いのかという議論もあるのだと思っています。

FFG健保ではFH人事部・各社人事部さらには労組/社員会とも協働して「健康経営施策」の一環として喫煙率ダウンに取り組んでいるわけですが、そのこころはかけがえのない従業員の皆さんやご家族、OB/OGの皆さんの健康状況を少しでも良くしたいという思いにあります。

(※1)「紫煙の向こうに青空が見える? ~5/31という特別な日~」 健保常務理事 篠原正泰
(※2)WHOは1948年に設置され加盟国は現在194カ国。たばこ規制で2003年に公衆衛生分野で初めての国際条約である「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(たばこ規制枠組条約)」の成立を実現した。
(※3)未成年者喫煙防止法(明治33年法律33号)
「満20歳未満はたばこを吸うことを禁じ、違反者は行政処分に処する。親権者が未成年者の喫煙を制止しないときは科料に処

する。たばこ及び器具を販売する者は未成年者の喫煙防止のため、年齢確認その他必要な措置を講ずるものとする」