けんぽの部屋
2021年02月13日
「癒しの極上の休日」 健保 常任理事 小林祐司

富士フイルムグループ健康保険組合の小林祐司です。今回の執筆は「癒しの極上の休日」についてです。

コロナ禍で外出自粛が続く中、自宅で過ごす機会が多くなりました。みなさんも自宅で過ごされる時間について様々な工夫をされていることでしょう。

若かりし頃からの休日の過ごし方を振り返ってみると、休日はマグロのように動き回ることで謳歌し、連休の終わりを告げる日曜日のサザエさん(TV)のテーマソングが聴こえると不承不承な気分でテンション低下。年齢を増すごとに自宅で過ごす時間も増えつつありましたが、やっぱり休日は目的をもって色々な所に出掛けて癒され、次の休日の予定を愉しみに待ちつつ1週間の仕事を頑張る。入社後からこのように過ごしてきたと思います。

2020年は健保に着任し保健事業の担当となりヘルスツーリズム※1(旅先など自然豊かな環境の中で心と体を休める健康増進)を先ずは自ら実践しようとした矢先のこと、新型コロナ発生で収束の見通しがつかない状況になりました。外出の好きな私もこの習慣を見直せざるを得なくなり大事態です。

旅行、スポーツ、外食も制限される中で、おうち時間をどう過ごすのか、自宅の中ばかりでなく外の新鮮な空気を吸って愉しみたい。「癒しの極上の休日」をどうやって過ごすのか、1週間の仕事を頑張って乗り越えていく上でとても重要な課題でした。

3密を気にせずマスクなしで許される唯一の場所を必然と求めたのでしょう、庭先で過ごす時間が増え庭いじりや掃除が始まったように思います。更には開放的なアウトドア的なこともしたい。そんな背景もあってガーデンショップに通うことも多くなりました。ちょっとした空間ではありますが庭の整備が進むと自然と向き合いながら過ごす休日も増えてきました。

これまで使う機会が殆どなかったガーデンテーブル席に座るようになり、朝日を浴てコーヒータイム。これが何といっても清々しい。鳥が遊びに庭木にとまり、いきいきとした樹木(春は新芽)を目にするなど、これまで気づかなかった生き物や自然が発見できます。足元を観察するとメダカを放流していた浅い小川にはは黄色のウォーターポピーが開花しカメラを構えると近くの浮草にカエル(写真①②) がじっとしていました。

その下にはいつの間にかサワガニが住んでいてびっくりです。この水辺を中心に沢山の生き物が集まってくるのですが、秋までは多くのカエルを見かけることができます。ベランダまで遊びにくることもあってユニークな光景(写真③)を見ることができます。じっくり見るととても可愛らしい。子供の頃から昆虫など生き物は興味を持っていましたが、何ら意識をしていなかった植物についても開花を目にして興味を抱くようになりました。とても面白いのは短時間で植物の変化を目にする時です。早朝に咲いていなかった蓮が知らない間に開花(写真④)しています。蓮は開花の瞬間に音が聞こえるそうです。自宅の庭でありながらちょっとしたビオトープ※2(自然の生態系を身近に感じられる空間)のようです。

お昼は家庭菜園でとれたての野菜を入れてのBBQ。炭火で焼く野菜と肉は格別です。〆は残った炭火で焼き芋作り。自宅でもアウトドア気分が味わえます。

夕方は樹木に水を与えます。春から秋はたっぷりと時間をかけて行うので個々の樹木を眺めながら成長が実感できます。フェニックス(写真⑤)に種がついているのを発見。この種を冬に採取して春先の発芽に挑戦をしたいと考えています。また一つ愉しみが増えました。1時間もかけて水を与えていると夕焼け(写真⑥)が見え小刻みに空の色が変化します。季節によって異なる夕暮れ(写真⑦)を眺めながらいただく一杯のビールは格別です。外出先で呑むと帰りがしんどいですが、ここなら帰路がない。これも含めて「癒しの極上の休日」を発見したのかもしれません。

コロナ禍で発見した休日の過ごし方ですが、樹木の成長がわかるようになり、ちょっとした自然セラピー※3(自然に親しみ、その効果を健康の増進に生かす方法)を感じるようになりました。「自然には人を元気にする力がある」と言われています。森や林に入ると気分が安らいだという経験はございませんか?自然セラピーは自宅の窓から樹木を眺めるだけでも味合うことができます。庭があれば、花を植えて世話するのもいいでしょうし、ベランダで植物を育てるだけでも、自然の力を体に取り込めると言われています。日常生活の場に緑や花を整えるだけで、森林浴の効果が得られるので手軽に実行できる「自然の健康法」かもしれません。

自宅で生き物や植物に触れて興味を持ち、もう少しじっくりと観察をしてみたくなり自然観察指導(写真⑧)の知識を身につけることとしました。自然観察をすることで自然を大事にする人と社会をつくり、自然保護の実現につながります。

今では四季を通じてカエルの行動を家族で追いかけています。

コロナ禍で外出を自粛せざるを得なかったため、「旅をきっかけとしたヘルスツーリズム」とはなりませんでしたが第一歩を踏み出せたように思います。今後は健保の保健事業として自然とのつながりを通じた企画をどのように取り入れるのか検討を行い、みなさんの健康増進に貢献していきたいと考えています。

【クイズ】写真①~⑤の中にいるカエルは合計何匹でしょうか?

A:3匹       B:4匹   C:5匹

※クイズの正解はHP「けんぽの知恵袋」をご覧ください。