けんぽの部屋
2020年05月12日
「一年間メタボ指導をやってみて」 健保 保健師 田澤美幸

2019年度が終了しましたが、今年度、メタボ指導(特定保健指導)を私自身も直接行わせていただく機会を得ましたので、ここにご報告させていただきます。

その前に、仕組みを少し説明させていただきますと、40才以上の方を対象とした「特定健康診査」(いわゆるメタボ健診)の結果、生活習慣病リスクが高い方に生活習慣改善の指導を行うことを、「特定保健指導」(いわゆるメタボ指導)と呼んでいます。

「特定健康診査」も「特定保健指導」も、該当基準から実施内容まですべて法律で定められています。

メタボ指導は、これまでエキスパートの業者さんに多くをお願いしてきましたが、昨年度から私自身も一部、指導に加わらせて頂くことにしました。参加される皆さまと直にお話し、皆さまの生活を理解することで、何が課題なのか私自身で考え、効果が出せる、それでいて心のこもったメタボ指導を実現してみたいと考えたからです。

参加者とお話をして、仕事や家庭が忙しくて、ご自身の健康までは手が回っていない方が予想した以上に多いのだと感じました。

たとえば体重が年々増えていっても服のサイズが変わるくらいで、特に困ることの実感がないのでダイエットなんてやりたくない、そもそも忙しいしで終わっている方が多いです。

でもそんな多忙な方でも、私のつたない指導でしっかり体重を減らした方もおられます。

減量に成功した人は、どのような取り組みをしたのでしょうか?

具体的な例でお話させていただきます。

①最初は大変だけど、まずは始めてみる!

交代勤務のAさん、家庭には小さなお子さんがいて、公私ともに大変ご多忙です。

最近、お腹が出てきて体を動かすのが億劫になってきていることが気になっていました。

交替勤務で食事の時間がバラバラになるため、1日2食の食生活を送っておられましたので、1日3食食べる事を目標にしました。

多忙ですのでその取組みすら面倒のようでしたが、ここが正念場!と覚悟を決めて取り組まれました。

やってみると、思ったより簡単に続けることができ、その結果、体重を減らすことができました。

まずは始める事が大切なのです。

できれば1週間は頑張って取り組んでみてください。慣れてくると結構続けられるものだと感じていただくことができました。

②取り組み状況や体重など、継続的に記録する

Bさんは、「自分は食事の量はあまり多くない」と思っていました。

しかし食べたものを記録していくと、チョコレート1個、クッキー1枚など、おやつを少しずつ何度も食べており、その“ちょこっと”の間食が意外と高カロリーであることに気づきました。

メタボ指導に参加している方たちには、食事やその時の取り組みを継続的に記録することを勧めています。

記録することで自分の生活習慣が見えてくるので改善が必要なところがわかるようになりますし、体重が徐々に減っていくのが見えて、モチベーションが維持できるのです。

メタボ指導では、一人ひとりの状況にばっちり合わせ、一番効果が高い方法をお伝えしております。

今年度もまもなくスタートします。

今回はオンラインで実施するため、コロナウイルス感染の心配もありませんので、招待状が届いたらぜひ参加してください!

そして面倒だけどまずはやってみる、の心持ちでチャレンジしてみてください!きっといい結果が出ますよ!

コロナウイルス感染の拡大を受け、非常事態宣言が発令されています。

外出自粛となっていますが、こんな時こそご自身の健康管理にチャレンジするいい機会と考えてみるのはいかがでしょうか。

自宅に階段があれば踏み台昇降や足踏みなどの有酸素運動、スクワットや腹筋運動などの筋力トレーニングもお勧めです。

運動はちょっと・・・という方はメモ程度でよいので食事記録、毎日の体重測定も健康管理になります。

むしろこの機会だからこそ、飲み会やレストランの豪華な食事などの誘惑に引きずられずに始められる良い機会かもしれません。

2019年度のご報告でした。