けんぽの部屋
2018年12月17日
「正月を機に終煙しよう!」 健セ 事務長代理 福永隆

タバコは16世紀後半、ポルトガルの宣教師から日本に伝来しました。

江戸時代には全国に普及し、明治時代からは兵士への報償品として必須アイテムでした。

ニコチンを含有するタバコは覚醒剤や大麻と同じように多幸感をうむ依存性物質です。

この幸せは他では得られないのでやめられないのです。

死ぬまでやめない人は別として、たとえば家では吸わない、本数が少ない方々は休日が続く年末年始は禁煙の大チャンスです。タイトルは“終煙”としました。

<禁煙のコツ①>

「この世の中からタバコは消えた」と考えます。喫煙所には近づかず、喫煙者とは業務上の会話のみとし、休憩や宴会はタバコを吸わない人と過ごします。交友関係が変わることを心配する人もいますが、逆に、新しい交友関係に期待しましょう。吸わない人は禁煙を始めた人を温かく迎えます。

<禁煙のコツ②>

禁煙外来で薬を服用するとタバコを吸いたいと思う気持ちは弱くなります。しかし、物足りなさを強く感じます。新たな趣味を始めたり、今持っている趣味のレベルアップを図ることが大事です。運動、読書、芸術、食事、嗜好品・・・喫煙時とは違った何かを求めていくことで物足りなさを紛らわしましょう。コーヒーとタバコの癒着を断ち、純粋にコーヒーの味と香りを楽しみましょう。

<禁煙のコツ③>

禁煙すると太るから、タバコで腹八分目できるからという理由で禁煙しない人がいます。

一面から見るとそうですが、一方、ニコチンは血管を収縮させ血行を悪くし、新陳代謝が悪化します。また、ビタミンCを破壊するため、活性酸素を増加させ、コラーゲンの生成を抑制します。

毒物であるニコチンは健康な身体の働きを阻害することで体重の増加を抑制しているのです。このことを理解した上で、タバコをやめて食事はおいしくなり、もっと食べたいところですが、腹八分目でごちそうさまに努めましょう。“野菜からもぐもぐ”次に肉や魚、最後にごはんで糖質の量が増えないようにしましょう。

<禁煙のコツ④>

禁煙外来が終わった後の半年間に気をつけましょう。喫煙欲の魔の手が伸びてきたときに、それを断ち切る美味しい飲食品やご褒美を用意しましょう。私は禁煙開始から数カ月後、徹夜勤務で業務遂行するプロセスでご褒美に1本吸ってしまい、その時の禁煙は失敗しました。

魔の手に備えて、あらかじめ値の張るご褒美を持参していれば防げたかもしれません。

禁煙は1回で成就するのが何よりですが、失敗しても再挑戦できます。

タバコゼロの2019年を目指しましょう。

<禁煙外来とは>

禁煙外来は内科や循環器科だけではなく、様々な診療科で行っています。医師があなたの喫煙歴をきちんと把握したうえで、禁煙補助薬の処方、治療の経過を見守ってくれます。イライラして落ち着かないなどの離脱症状が起こっても診察で相談できるので、禁煙をうまく続けていくことができます。

★ご参考までに★