けんぽの部屋
2023年09月28日
「特定保健指導を担当して」 健保保健師 五十嵐千佳子

 

2022年度の特定保健指導を担当させていただきました。
特定保健指導は法律に基づいていて、40歳以上の方を対象とした特定健診の結果から生活習慣病のリスクが高い方に対して、生活習慣病予防に向けて個別に保健指導をするものです。
内容としては、生活習慣病のリスクとなる内臓脂肪を減らすこと、つまり、増えてしまった体重やおなか回りを減らすためにどういう取り組みをしていくかを考えていきます。

面談の時には、どんな提案をしたら受け入れてもらえるだろうか、継続できる内容になっているだろうかなどいろいろと考えながら保健指導を進めていくのですが、会話の中で自ら生活習慣の改善点に気づく方が多いと感じました。
健診結果過去5年分を見ていくと、体重が増えると血圧が上がったり血液検査の結果が基準値を超えていたり、また、逆に体重が落ちると改善したりということが見てとれます。すると「そういえばこの頃は運動していた」「この頃より明らかに間食が増えている」「最近食べ過ぎ」などその時々の状況を思い出して改善すべき生活習慣に気づくことが多いようです。もちろん数年前とは環境も身体の状況も違いますから、気づいた点をどう改善していくかということを一緒に考えながら取り組んでいただいています。

実際に減量に成功した例をお話しさせていただきますと
「健診結果、その年の分は見るけど比べてはみないかなー」と話されたAさん。この数年体重が増えたり減ったりを繰り返していました。一緒に見ていくと「あ、本当に体重で血圧も上がったり下がったりするんだね」と認識され、「体重落として増えないようにします!」と意欲的に取り組んでいただきました。
また、仕事が忙しくて食事の時間もとれず偏りがあったBさん。「食事に気を使えなくなってお腹回りも増えてしまい・・・なんとかしなきゃとは思っていたけど」と今回の保健指導を機に食事改善に取り組み、みごと減量に成功しました。
特定保健指導対象となった方自身で改善点に気づけると取り組みも自然にできるようで、「無理なく減らせました」「それほど頑張ったとは思わないけど減りました」と話される方も多くいらっしゃいます。

ダイエットに対して「わかっているけど続けられない」「減量しても毎回リバウンドしてしまう」という声もよく耳にします。ダイエットに励むには強い意志と決意が必要なこともありますが、一人で取り組むより、誰かと話したり言葉に出すことで意識できることもあるので、ぜひ保健指導の場をきっかけにしていただけたらと思います。

特定保健指導というと、面倒くさい、言われたくない、忙しいのに時間を取られたくないなどマイナスなイメージを持たれる方もいらっしゃるかとは思いますが、お声のかかった方はあまり構えずに、ぜひお気軽に受けていただければと思います。
一緒に健康な身体を目指していきましょう。