けんぽの部屋
2023年06月23日
「帯状疱疹はワクチンで予防しよう!」 富士フイルム健康管理センター  薬局長 柏木義光

 

 帯状疱疹とは、神経に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが活発することで発症する皮膚疾患です。おもな症状は、ピリピリ・チクチクといった神経の痛みやかゆみを伴う湿疹で、通常右側または左側どちらか一方に出るのが特徴です。

 帯状疱疹を発症する原因である水痘・帯状疱疹ウイルスは、日本人の9割以上が保有していると言われています。心身とも健康であればウイルスが再び活性化することはありませんが、加齢・過労・ストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが活性化してしまい、帯状疱疹を発症してしまいます。特に50歳以上になると発症率が急増する傾向にあり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。

 現在50歳以上の方はワクチンを接種することによって帯状疱疹を予防することができます。帯状疱疹ワクチンには、①生ワクチンと、②不活化ワクチンとがあります。

 

帯状疱疹ワクチンの比較表

乾燥弱毒生水痘ワクチン シングリックス
ワクチンの種類 生ワクチン 不活化ワクチン
発生抑制効果 51.30% 50歳以上 97.2%
70歳以上 89.8%
接種方法/回数 皮下注射:1回 筋肉注射:2回
1回目の接種から2か月後に2回目の接種を行う。
※遅くとも6か月後までに接種
効果持続期間 5年程度 10年程度
副反応    接種部位反応(50.6%)、
発熱、倦怠感
※3日~7日で消失

接種部位反応(81.5%)、
筋肉痛、疲労、頭痛
※3日~7日で消失
※水痘ワクチンより副反応が強く出る可能性あり

当センターの
料金
8,150円 22,000円/1回
長所    ・接種回数が1回で済む                                 ・費用が安い        ・免疫低下している方にも接種できる                          ・予防効果が高い                                     ・持続期間が長い
短所    ・免疫低下している方には接種できない           ・持続期間が短い                          (5年を超えると有効性が減弱する)           ・費用が高い                                    ・接種回数が2回                                     ・副反応が比較的強い

 

 2種類のワクチンがありますが、予防効果が高く持続時間が長い、不活化ワクチン(商品名:シングリックス筋注用)をお勧めします。接種費用が高いのが欠点となりますが、『帯状疱疹予防ワクチン公費助成』を導入している自治体がありますので、先ずはお住いの自治体に確認してから接種を検討して下さい。