富士フイルム健康管理センターで人間ドックを担当しております内科医師の渡邊ひとみです。当センターでは、人間ドック当日に検査結果の説明(※当日結果判明分のみ)を行っています。当センターでの人間ドック結果説明について紹介致します。
一般的には、ドックの結果説明というと結果の良し悪し・精査の必要性の説明が中心です。当センターではそれらに加えて、受診された方のライフスタイルを伺いながら健康維持・増進のためのアドバイスをするように努めています。健診を通して自身の健康状態を把握するだけでなく、今日からでも行動に移せるような生活習慣を見出す一助になればと考えています。
医師をしていると、「健康な状態を保つこと」がいかに大切かを痛感します。例えば高齢になると、短期間の入院であっても、退院時に入院前は自力で出来ていた身の回りのこと(食事や排泄、歩行など)が周りの人の助けなしではできなくなってしまったりします。これを医療や介護の現場ではADL(= activities of daily living、日常生活動作 )低下と言います。すなわち、病気治療のための入院が自分自身の活動能力を下げてしまう可能性があるということです。
「入院前は歩けていたのに、退院時は車椅子になってしまった・・・」
想像もできない話だと思いますが、これが医療現場で目の当たりにする現実です。
2016年の健康寿命(=日常生活に制限がない、要介護や寝たきりでない期間)は男性72.14歳、女性74.79歳です。健康寿命と平均寿命の差(=介護が必要となる期間)を短くすることは、個人の生活の質の低下を防ぐことにもつながります。
要介護となる主な原因である脳血管疾患は、生活習慣の改善で予防ができます。
「身体のことで気になることがあるけれど病院に行くほどでもないかな・・・?」
こういった疑問も、人間ドックなら話しやすいでしょう。毎年の人間ドックの積み重ねが数十年後の自分の健康状態を大きく変えているかもしれません。
まずは年に一度人間ドックを受診することから始めてみませんか。