けんぽの部屋
2018年08月31日
「私の健康法」 健セ 産業医(内科)佐野望

南足柄の富士フィルム健康管理センターに勤務している内科医師の佐野望です。毎週月曜日は西麻布の健康管理室で診療・産業医活動をしております。

今回のテーマは『私の健康法』です。正直申し上げまして、皆様に誇れるような健康管理をしているつもりはありません。しかし、依頼がございましたので、簡単ではございますが、紹介させて頂きたいと思います。

さて、社員の皆様は自身の健康管理をどのように考え、具体的に実践されていますか?職場の定期健診でメタボリックシンドロームの該当者として要経過観察や要医療など指摘されておりませんか?私は自分自身の健康について、可能な限り、心身ともに健康を保つように心がけるように努めています。

前置きが長くなりましたが、私の健康法は、ずばり『ロードバイク』です。いわゆる、スポーツ自転車ってやつです。これが本当に心身ともに効果があります。過去にメタボ体型で、今風に言うと、『やばい』不健康状態だった私が言うので、ほぼ間違いないと解釈しています。

余談ですが、私がロードバイクを始めたきっかけは宮城県内で経験した東日本大震災です。震災の影響でガソリン不足が深刻化する中、やむを得ず乗り始めたロードバイクでしたが、40歳過ぎのオヤジが突如として覚醒し、次第に夢中となりました。しかし、フルワーカーとして働く家族持ちの身には、満足にライドできる時間的な余裕はありません。そこで、私の場合は通勤をロードバイクで毎日のように行うことで時間を確保しています。

現在は自宅の小田原市内から勤務先の南足柄市の健康管理センターまで、片道約10キロ、約30分のライドを日課としています。時間的・体力的に余裕のある場合にはアップダウンのある足柄農道経由で最乗寺まで足を延ばしています。

このように通勤に自転車を使う、いわゆる『ジテツウ』ですが、これでロードバイクに乗る体力やテクニックが身に着くと、次第にチャレンジ欲が湧いてきます。私の場合には、週末に箱根や富士山の5合目まで激坂を登るヒルクライムをしてみたり、江の島までサイクリングしてみたり、ロードバイクのイベントに参加するために毎月各地へ遠征もしています。

私の経験上、ロードバイクで通勤を週3~4回、数か月間継続すると、肉体に徐々に変化が生じてきます。確実に痩せてきます。体型も変化して、無駄な体脂肪が減ってきます。特に脚を回す運動なので、臀部や大腿部がすっきりしてきます。すると、血圧も下がり、脂質異常や脂肪肝による肝機能異常、血糖値やヘモグロビンA1c、尿酸値などのデータが改善してきます。これで健診データの異常値は解決できるかもしれません。また、次第にお腹周りもすっきりして、メタボ体型を脱してきます。体型に変化が生じてくると、摂取カロリーも気になってきます。

また、少し早起きをして朝日を浴びながら、ロードバイクで風を切って走ると、爽快な気分が得られます。出社直後から頭がすっきりして、仕事にスムーズに取り掛かれます。退社後も頭も体もリフレッシュした状態で帰宅できるので、家庭内も円満となるかもしれません。電車の遅延や車の渋滞とも無縁で、すべて自分の思い通りに計画的に行動できます。

このように『ジテツウ』は、心身ともに健康的な観点から一石二鳥?三鳥?以上の効果の意味合いがあると感じています。

もしかしたら、腰や膝などに不安があり、『ロードバイクなんて、乗れないよ』と思う方もいらっしゃるでしょう。実はロードバイクの乗車姿勢についてですが、体重が両腕、両足、臀部に分散され、またタイヤが地面との衝撃吸収に役立っており、実はランニング等に比べると、体への負担がとても少ないスポーツと言われています。他のスポーツで障害が生じて継続を挫折した経験のある方にこそ、お勧めのスポーツなんです。

さらに、ロードバイクに夢中となり、大会に参加してさらなる好成績を収めたい願望が生じてくると、ロードバイクのチーム等に参加する方もいらっしゃるかもしれません。すると、自転車仲間との交流が活発となり、同業者や他業種の方と知り合いになって、仕事やプライベートにプラスとなる事があります。実は私にとって、この交流が大いに社会生活に役立っております。

 

これが私の実践中の趣味かつ健康法になります。ものぐさの私でも約8年間続けています。摂取カロリーと消費カロリーを多少気にしながらも、結構食べちゃいますし、アルコールもたまには痛飲することもあります。それでも、健診データと体型は40代後半になっても維持できています。

いかがでしょう。ロードバイクにご興味が湧いてきたでしょうか?ロードバイクをやって健康になりたい、とにかくロードバイクに乗ってみたいと、ご興味のある方は何かアドバイスができるかもしれません。南足柄の健康管理センター及び西麻布の健康管理室でお待ちしておりますので、宜しければお越しください。

以上、これが私の健康法になります。

最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。